画面の向こうの・・・編・24



自宅ではない、けれど日常的な空間。

見慣れた部屋と見慣れた応接セット。

そのソファーの上に横たわる恭一に、酷く興奮した。

「手で顔を隠すな」

「だ・・・だって」

「俺が恭一の顔を見れないだろ」

「みっ見られ・・・たくない・・・あっ」

恭一の尻に腰を打ち付ける。

ペニスの根本まで差し込むようにそうすると、三城の下で恭一は胸を反らせた。

今の時間このフロアには人は来ないと何度も言ったけれど、普段通りに振る舞う事に抵抗があるのか恭一は唇を結んでいる。

意図的に結ばれた唇が、開くのを耐えているよう震えた。

瞼も閉ざされ、肩も小刻みに揺れている。

遠慮なく乱れてみせる姿が好きだが、耐える姿も決して嫌いではない。

恭一の足を支え、ゆっくりと腰を引きながら三城は口角をつり上げた。

「見られたくない?今更だな」

「で・・・でも」

「俺が見たいと言っているんだ。見せれば良いだろ。凄く、いやらしい顔をしている」

「・・・春海さん」

「ここが何処でも・・・この場に居るのが俺だけだと言うのは、いつもと変わらないだろ?」

「ふっ・・・あっ」

片足だけをついたソファーで、バランスをとる。

大振りの筈のそのソファーも、男二人が行為を及ぶには余裕に満ちている訳ではない。

指先にまで意識を張り巡らせられないのだろう恭一の腰をそっと抱き、三城はゆっくりと胸を倒した。

互いにワイシャツだけを着用した格好だが、それでも夏場の今はいささか暑い。

快感と興奮で火照る身体は熱く、肌など合わせないにこした事はないが、それよりも抑えられない衝動から密着を深めると、すかさず恭一の腕が三城の背へ回された。

「はっ・・・春海さん」

「どうした?おねだりか?」

「ソファー・・・汚れちゃう・・・」

「そうだな」

「ど・・・しよ」

「今更だ」

「で・・・でも・・・」

「心配するな、それぐらい、俺が何も考えていないわけがないだろ」

「ふっ・・・あっ・・・ぁぁ」

互いの腹の間で揺れる恭一のペニスを握り先端をくすぐると、途端に切なげな声が上がった。

耳から受ける刺激がより興奮を高まらせる。

ただただ恭一だけを求めて犯してしまいたい衝動を賢明に抑え、三城は片手をその尻に添え高く持ち上げた。

突発的なデートや宿泊も少なくない為に、いつからか潤滑油を持ち歩くようになった。

しかし普段と同じ量を使う訳にはいかず、重なり合う為に必要なだけのそれは、挿入は果たせても溢れる事はない。

最後だけ、三城が気を回せば良いだけだ。

「恭一、出す時は、言えよ。汚さない、為にもな」

「はっ・・・あっ・・・んわ・・・わ、わか・・・」

恭一の唇に、重ねるだけのキスを落とす。

そうしてペニスを握り直した三城は、そこをいじりながらも腰のストロークを早めた。

「恭一にも、嫌な思いをさせたようだからな。今日は精々、良い気分だけ味わえ」

「そ・・・な。僕は・・・あっはっあぁ」

「恭一の嫉妬も嬉しい物だがな。欲を言えば、もっと見たかった」

「はっ・・・はる・・・はるみ、さん」

恭一の息があがる。

それに満足げな笑みを浮かべ、三城は恭一の足を抱え直した。

面白くないブログ記事も、会いたくもない女との偶然の接触も、いつにない恭一の反応を見れたと思えば受け流せた。

どうしたところで、三城の世界は恭一を中心に回っている。

「他に、何を選べと言うんだ」

こんなにも、愛しい存在が居て。

頬を赤らめ胸を反らせ、自分自身でどのような顔をしているのか恭一は分かっていないのだろう。

耳に毒な嬌声で唇を震わせ、腰を突き出す。

無意識だろうその仕草にも、どうしようもない独占欲を感じた。

「はっ・・・はるみさん、もう・・・もう」

「あぁ、先にいけ」

「でも・・・」

「抑えておいてやる」

「え・・・んっ」

弄っていたペニスを離す。

元々男色趣味はないが、恭一の達する姿を見るのは好きだ。

女性とは違い目に見える証を目の当たりにするのが好きだが、今晩ばかりはそれを見るのを我慢するしかない。

あらかじめシャツの胸ポケットに忍ばせていたハンカチを取り出すと、三城は恭一のペニスを覆った。

「部屋を、汚さなければ良いんだろ?」

「あっ・・・はっ・・・はるっ・・・んっ」

気に入りのハイブランドのハンカチの下で恭一のペニスが震える。

ハンカチと共に手を上下に動かすと、布地がペニスをこすり上げる感覚を三城も手に感じた。

いつもと違う感覚は、それもまた興奮に語りかける。

それは恭一も同じ、否、受けているだけ大きいのやもしれない。

薄い布地に覆われた自身のペニスを眺めるよう恭一が首を持ち上げたが、しかしすぐに胸を反らせた。

「だめ、だめ・・・あっ」

「っ・・・・」

ハンカチの中に、恭一の証が放たれる。

それと同時に体内はこれでもかと締め上げた。

びくびくと震える内部と、唇を開けて呼吸を求める恭一、そのどちらも三城の興奮をこれでもかと高まらせる。

レストランで遠慮がちに告げられた恭一のリクエストのデートは、きっと彼の意図とは違った結果になったのだろうが、三城としては非常に満足だ。

また同じコースを辿っても良い、と言えば恭一は何と言うだろうか。

唇がニタリと崩れた。

だがそれが余裕のないひきつりへと変わるのは直ぐで、強い力で掴む恭一の内部から、奥深くへ埋めていたペニスを入り口近くまで引く。

そうして次に埋めた時には、三城も恭一の中へ絶頂を放っていたのだった。

  
*目次*