人生の門出・編・1



恭一と出会って、早いもので8ヶ月が経った。

あまりに毎日が充実し濃い日常で、彼との生活が当たり前になり過ぎていてしまったから、まだそれだけの短い時間しか経っていないのかと感じる。

もっとずっと長い時を共に過ごしていたかのような錯覚に陥るのだ。

それほどまでに、幸田恭一という人物は自分にあってはならない存在になった。

この国では、二人の関係はとても危うく、認められにくいと理解していたとしても。

例えそれが生きる糧に、ビジネスに障害をきそうとも、恭一を手放す気など全くありはしない。

─────けれど、もしも逆ならば、恭一にとって自分が何らかの障害になる時が来たなら、どうするべきだろう。

恭一の心を身体を縛り付けて自分の元に止める事などできないから、少しでも錘になればと両親に紹介をしたりマンションを買ったりとした。

それを恭一自身がどう受け止めているかなど、想像の範囲を越えないのだけれど。



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