君と僕と・1


僕は、眼球と声帯を持たない。



明るい地下のお店で僕は育った。

そこには、綺麗な男の子とか、身体のパーツが足りない男の子とかが沢山いた。

お姫様みたいに着飾った子も、お人形みたいにじっとしている子も、動物みたいに這いつくばっている子も居た。

僕はどんな「形」になるのだろうと思っていた。

そして「その日」は来た。

始めに喉を切られ、次に目を取られた。

麻酔をたっぷり使ってくれたのか痛みは全くなかったけれど、手術が終わってからも頭がぼーっとして晴れない。

とても不思議だ。

それからもそこでの生活は続いた。

相変わらず寒いし、お腹はいっつも空いてるし、痛い事も沢山された。

僕は「嫌だ」とか「痛い」とか「止めて」とか言う術をなくしたから、されるがままになっていた。

身体を使って抵抗しても、僕よりも大きな人たちにねじ伏せられて簡単に動きを封じられるからだ。

どこか諦めもしていた。

自分の気持ちなんて元から誰も聞いてくれない。

伝えたって聞いてくれないなら、伝えなくても一緒だから。

僕は大人しく大人しく、ただ殴られる回数が減る事だけを考えて暮らしていた。

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