君と僕と・5


「乗れ」と言われて乗り込んだそこはとても暖かかった。

立っていられないほど天井は低く、手足を伸ばせない程の狭さだったけれど、とても柔らかい椅子だ。

そこが急に動くからビックリした。

たまに身体が前に飛んで行きそうになって、ニルに何かで身体を縛られた。

それがとても嫌で、でも嫌なんて伝えたら殴られると思ったから身体を小さくして俯いて耐えた。

「大丈夫だよ、すぐだから」

ニルの声は優しい。

身体を縛られただけでも何かされるかと思ったけど、何もなくて身体が飛んで行きそうにだけはならなかった。

身体が飛んで行くのも怖いから、縛られているだけなら我慢しようと思う。

それに横に座っているらしいニルが僕の手をずっと握っていてくれたから、安心出来る。

二人の会話も殆どなくて、僕はそこの温かさから知らないうちに眠ってしまっていたみたいだ。

揺さぶられて起きた時には、そこから降りるように言われ、縛られていた物をニルが取ってくれる。

その時シュッっと音が聞こえた。

その後ニルの方からもシュッと音がして、ニルも自分を縛っていた事を知って驚いた。
   
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