君と僕と・6


とっても冷たい何かが、僕に当たった。

「風が強いから早く中に入ろう」

僕の手を繋いだニルはそう言って温かい所に連れてきてくれた。

そこはさっきまでの椅子しかない小さな部屋なんかじゃなくて、何もないくらい広い空間だった。

お湯の中につかったみたいに温かい。

沢山の人の気配を感じたけれど、誰も何も言わなかったし、近づいて来なかった。

主人様が僕達から離れて行くと、沢山の人たちが動いてそっちに向かった気がしたけど、僕達にには何もしない。

何かを話している声が聞こえたけど、それが何かまでは解らなかった。

知らない所に初めて来た僕はビクビクしながら気を張り巡らせる。

でもニルが「大丈夫だよ」と優しく言い、手をぎゅっと握ってくれたから少し安心した。

「行くぞ」

主人様の声がしてニルは僕と手を繋いだまま歩きだした。

僕は引かれるままについて行く。

「階段だから気をつけてね」

何度かそう言われながら歩いていった。

お店の中よりもずっと広い場所みたいで沢山歩いた。

暫くするとニルが立ち止まり、

「ここが主人様の部屋」

そう言われて部屋の中に一緒に進んでいった。
   
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