君と僕と・8


僕の新しい生活が始まった。

それは今までと何もかもが違う。

朝はニルが起してくれて、毎日新しい洋服に着替える。

瞼の上には清潔な包帯を巻いてくれて、眼球の無い僕のソコを守ってくれた。

僕の髪をクシで梳き終わると、

「待ってて」

と言い残し、ニルは隣へと行く。

主人様の部屋だ。

あまり話し声は聞こえてこなくて、何をしているのか解らないけど僕は大人しく待つ。

暫くするとニルが戻って来た。

「朝食を食べようか」

ニルは僕の手を取って歩いて行く。

連れて来られたのは主人様の部屋で、フカフカのソファーに座らされた。

「パンだよ、食べて」

それを手に持たせてくれたので僕は齧った。

ほのかに甘くて、パリッとしててとても美味しい。

僕の前でカチャカチャと音がする。

主人様もご飯を食べてるみたいで、その隣にニルが座っているらしい事を声が聞こえる方向で知った。

ニルの本当のお仕事は主人様の世話だからだ。

ご飯が終わると、僕はまたニルの部屋に行く。

この屋敷の中なら何処へ行ってもいいと言われたけど、一人でうろうろするのは怖い。

お昼真は僕は一人で居る事が多かった。

たまにニルが僕の様子を見には来てくれるけど、ずっと一緒には居てくれない。

ニルにはニルのお仕事があるから仕方が無い。

食事は3人一緒に取る。

必ずそうしなければならないと、主人様に言われた。

だからお昼ごはんや晩ご飯も食べさせてもらえて、いつも美味しくて温かい。

終わると僕は眠るように言われ、ニルの部屋で新しいパジャマに着替えさせてくれた。

瞼を覆う包帯も解かれホッと息を吐く。

フカフカのニルのベッドに入り、僕は一人で瞼を閉じる。

もっとも、僕の瞼はいつも閉ざされているから気持ちの問題なのだけれど。

   
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