君だけにオール・グリーン・6


何が不満で、何に腹を立てているのか。

世界は無情だと嘆くくせに結局自分では何もしなくて。

自分勝手でガキで。

寂しくて悲しくて。

助けてほしいと叫びも出来ず、喚き散らして。

こんな奴死ねばいいのに、っていっつも思ってた。

そんな俺なのに、どうして大久保は。

どうして大久保は俺を抱きしめるのだろう。

やりたいだけなら他を当たればいい。

どう考えても、俺は面倒だぞ?

大久保に抱きしめられて落ち着きを取り戻した俺は、フーッと息を吐いた。

「ごめん」

「謝る事じゃないだろ。」

大久保は身体を離すと俺を見つめ、優しくニコリと微笑んだ。

ウザイと思われこそすれ、こんな風に笑ってくれるとは思わなかった。

「不安?」

だが大久保は俺の前に胡坐を組んで座ると、笑みを消してジッと俺を見た。

「・・・っていうか、怖かった。色々」

「色々?」

「お前がどういうつもりなのか、とか」

「そっか、、、ごめん!」

大久保はガバリと頭を下げて謝った。

何に対する謝罪か、俺にはすぐに理解する事が出来なかった。

だから、そんな事をされるとよけいに不安になるのだ。

俺の知らない、何か謝られるような事をされたのだろうか、と。

「そうだよな、こういう事はちゃんとしないと。」

大久保は小さく呟くと立ち上がった。

俺は視線でそれを追う。

何処に行くのかと思ったがなんてことはなく、大久保は俺の隣に座りなおしただけだった。

俺の隣で身体を寄せて座る。

たったそれだけなのに、俺の鼓動はドクリと鳴った。

「ごめん、気持ちばっかり焦ってさ。俺は、相沢が好き。初めて会った時からずっと見てたんだ。」

それは今までに無く真剣な顔だった。

本当に大久保の言葉を信じていいのか、不安は残る。

俺はネガティブなんだ。

けど、ここで信じないと、他の何も信じれない気もして、俺は目をギュッと瞑ると心を決めて頷いた。

「俺も。」

相沢は俺をまた抱きしめた。

「なぁ、顔上げて?」

言われるがままに顔を上げる。

するとそこにはすぐ目の前に相沢の顔があった。

「キス、していい?」

「う、うん」

唇が、重なる。

生まれて初めて、恋愛感情によるキスだ。

ドキドキと、このまま心臓が壊れてしまうんじゃないかと思うほど鼓動が高鳴る。

何がおこっているのかはっきりとわからないまま、俺の唇は大久保の舌により割られ、舌を絡め取られていった。

これがディープ・キスか。

どうすればいいのかわからなくて、俺はじっとしていた。

下手に動かせば、二つの舌がバラバラに離れてしまうと思ったのだ。

それほどまでに、俺達のキスはつたなかった。

もしかしたら、大久保も初めてなのかもしれない。

俺は大久保の背を抱きしめ返した。

互いの身体を密着させる。

俺は崩れるようにその場に押し倒された。

唇を、重ねたまま。


  
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