清水の波紋・編・05



玄関に入りようやく腕を離してもらえたが、息を吐いたのもつかの間、靴を脱ぐと再び腕を引かれ有無を言わさず寝室へと連れ込まれた。

「あっ春海さん・・・」

まさかこのままベッドに入る───SEXをするとでも言うのだろうか。

こんな状態でか、と思えど他に理由など思いつかず、案の定あっという間に幸田はベッドの上に倒されていた。

「春海さん、待って」

「何故待たなければならない」

「こんなのでエッチしたくない」

「何故だ?あの男ともSEXをしたのだろ?」

「そういう問題じゃなくて」

それではまるで三城とSEXをしたくないと言っているようではないか。

だが実際はそうではなく、ただ、今・三城が平常心ではない現状で、SEXをしたくないと言っているに過ぎない。

とはいえ幸田の拒否の言葉を受け入れてもらえないのはいつもの事。

精一杯の拒絶はけれど三城には何の効果もなく、片腕を頭上で押さえつけられたまま、仰向けに倒れているところへ覆いかぶさられると三城は幸田のトップスを胸の上まで捲り上げた。

「あっ・・」

「綺麗な、いやらしい身体だ。あの男もここに触れたか?」

「そんな・・・」

三城の指が、幸田の胸の突起に触れる。

薄く色付いたそこは尖りを帯びており、撫でられれば肩が震えた。

「ふっ・・・」

撫でる、から、捏ねるに変わりゆく指先は幸田の良いように動き、そこの快感を知っている乳首は小さいながらに立ち上がると尚の事彼の指の腹で転がされる。

そうする一方で反対の突起は暖かい滑り、三城の舌に舐め上げられていた。

「あっ・・ぁ・・春海さん・・・」

突起を甘噛みされ、吸い上げられる。

左右を同時に刺激されればすぐに息は上がってしまい、そして身体も変化をしていった。

こんな一方的な感情をぶつけられるようなSEXは嫌な筈なのに。

そうは思えど、幸田の身体を知り尽くしている三城に肌を弄られれば嫌でも快感は引き出されてしまう。

身体の中心で熱を帯び始めた幸田のペニスは、ジーンズの中で窮屈さを感じていた。

「止めて・・・」

いくら口で嫌だと言えど身体がこうでは説得力もない。

ペニスの立ち上がりを知られたくはなくて太ももをすり合わせれば、むしろそれに気がついてしまった三城に無理やり足を開かされ股間へ手を滑り込まされた。

「ここは、止めてなどと言っていないようだが?」

クッの喉の奥で笑われる。

素早い手つきで片手で器用にベルトを外されフロントを寛げられると、下着の中からペニスを引きずり出された。

半端に立ち上がっていた幸田の自身は、三城の手に直接握られれば情けない程素直に大きく育ってしまい、気持ちと身体のあまりの違いに羞恥心すら持ち上がる。

自由な片手で三城の肩を押してもビクともせず、乳首から唇を離した彼は腹に口付けを施しながら身体をずらしていった。

「おの男にもしてもらったのか?」

押さえつけていた腕は離されたが、代わりにジーンズと下着を同時に膝下まで下ろされ太ももに手を掛けられる。

太ももを撫でられながらペニスを握り込まれれば、三城は躊躇無く亀頭へキスを施した。

「っぁ・・はぁ・・・」

「可愛い声を出すじゃないか」

根元を扱かれ、亀頭や裏筋を舐め上げられ、竿と亀頭の境を集中的に責められれば上ずる声が抑えられなかった。

そして身体に与えられる刺激以上に、三城が己のペニスに唇をつけている、と考えればそこから目が離せずペニスも硬くなる気がした。

恥ずかしい筈なのに、一方的に攻められるSEXなど嫌だというのに、あのエリート然とした面持ちの三城に口淫を施されているというのは何ともいえない興奮を誘う。

「はっ・・春海、さん・・・」

「あの男にもこんな姿を見せてやったのか?それとも、もっと俺の知らない恭一を見せていたのか?」

「んっ・・・見せて、ない・・っあ・・やっ」

「どうだかな」

「あっぁあ・・やぁっ」

乱暴なまでに激しく刺激を与えられ、そして三城の指が幸田の後孔へ差し込まれる。

ペニスを舐められながら、彼の唾液だけを頼りにズンと急激に奥までそうされれば、登り続けていた快感の度合いは一気に跳ね上がった。

「あっ・・いっ、って、しまう・・あっぁ・・」

無意識に腰が持ち上がり、三城の口内へペニスを差し出す。

その仕草に三城が満足げな笑みを漏らしたとも知らず、幸田はそれぞれに与えられる強い刺激に体内を何度も擦られないうちにあっけなく絶頂を迎えた。

「あっぁぁ・・・っン」

口淫をされたのは久しぶりで。

心に反した射精に虚しさを感じなかったかと言えば嘘になるが、そんなものよりも直接的な快感に飲み込まれていってしまったのだった。





  
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