清水の波紋・編・06



幸田の白い身体に赤い花びらが散る。

衣服を全て奪われ全裸とされた幸田は、身体中を触れ舐められ、そして所有の証を残されていた。

「っん・・・あぁ」

存分に愛撫を施された後、潤滑油を纏った三城の楔がゆっくりと体内へ打ち込まれる。

ずっしりとした質量を誇るそれは肉壁を押し広げ、数え切れない程受け入れているにも関わらずインパクトの瞬間は息が詰まった。

「ふっ・・・はぁ・・春海、さん・・」

合意の上で始まったSEXではなかったけれど、根本的に三城を愛している幸田がSEXをしながら不満を持ち続ける方が難しく、快感に押し流された今となっては頭の片隅にもやもやとした物が時折思い出す程度だ。

太ももを持ち上げ身体を半分に折られ、あられもない格好で自分のペニスが丸見えであったけれど、それに苦言を言おうとは思わず、そんな羞恥心よりも半端に挿入されたペニスがもどかしい。

幸田が荒い息をいくらも繰り返さないうちに彼のペニスが奥深くまで差し込まれると、三城は互いの胸を合わせるよう身体を密着させた。

「はぁ・・ぁぁ・・」

「恭一、苦しいか?」

「苦しくは、ない。ひっ・・・」

圧迫感はあれど痛みも苦しみもない。

それどころか満たされた感覚に腰が震える。

加えて、その圧迫感にしても、律動を開始されれば忘れてしまう部類だと経験で理解出来ている。

そう解ったのは幸田だけではなかったようで、生理的に瞳を潤ませる幸田の目尻に口付けをした三城は、太ももを抱き直し腰を引いた。

「可愛い、恭一」

「あっ・・春海さん・・・」

「こんなにも可愛い姿を、いくら昔の話だとしても他の男に見せていたのかと思うと・・・」

「はるっ・・ん・・・」

三城の唇が幸田のそれに重ねられる。

舌を絡められ意識を引っ張られ、更に後孔に刺激を送られれば何が何だか解らなくなった。

背中がゾクゾクと震えると、快感から胸が切なさ似た風に締め付けられた。

三城の両腕の中に居ながら後孔を優しく蹂躙される。

そして独り言のような、呟きのような三城の言葉を耳にすれば、快感に支配された思考の片隅で幸田はようやく気がついた。

三城は、誰に対して怒りを感じていた訳ではないのだろう。

あれ程の三城の不機嫌さや粗暴な態度が───嫉妬から来るものだと彼の言葉から伝わってくれば、幸田は三城に対する不満の全てが消えたような気がした。

「やっ・・あっはっぁ・・はっ・・はるみ、さん・・・すきっ。はるみさんだけが、好き・・・」

「恭一・・」

「こんな風に、なったの・・春海さんだけ・・・だから」

だから、変えれない過去は許して欲しい。

これからは、三城以外考えられないのだから。

唇を閉ざす事も出来ず、息ではなく嬌声ばかりを漏らしながら、幸田は三城の首に腕を回した。

過去に何があったとしても、そこに幸せな思い出があったとしても、三城以上に愛した人など居ないというのに。

二人の腹の間で揺れるペニスに蜜を湛え、幸田は三城の背を引き寄せるとその唇を奪った。

主導権を握られる前に己から舌を差込み、三城のそれに触れ合わせる。

夢中になりながら互いの舌を絡め、合わさった肌からは人の温もりが伝わった。

「んっ・・ン・・・ぁ・・」

好きで、好きで。

三城が感じてくれた嫉妬すら喜びに感じてしまって。

その想いを言葉で言う以上に伝えたいと懸命にキスをしていたが、先に唇を離したのは三城の方であった。

「ッ・・。きょう、いち。止めろ・・」

「・・え?」

あまり良くなかったのだろうか。

それどころか失敗でもあったかと、回りきらない頭で考えたが、眉を下げ続けられた三城のセリフはそうではなかった。

「お前、俺の舌を絡める度にここを、締め付けてると気がついているか?それともワザと煽っているのか?そんな風にされ続ければ直ぐにいってしまうぞ」

「っそ、んな」

唇を離しただけの距離で幸田は首を横に振る。

気がついてもいなければ、もちろんわざとでもない。

なんとなく逃げ腰になる幸田に、けれど三城はそれを許す事無く追ってくると、先端まで引き抜いたペニスを奥深くまで一気に突き刺した。

「あぁっ」

「恭一、俺の恭一。もっと鳴いてくれ」

三城の甘い声が耳元で囁きを零す。

いつの間にか機嫌の直ったらしい三城は、弱いと知ってる幸田の耳に舌を伸ばした。

機嫌が直った事は喜ばしい。

けれど、まだまだ身体を離してはくれそうになかった。

明日は一現目から授業があるのに、などと思えど唇から溢れるのは意味をなさない嬌声。

「ぁっ・・あぁ・・はる・・春海さん・・・あっ・・やっ・・」

いやいやと首を振っても許してはくれない。

むしろ高い声を上げる事が三城の支配欲を刺激しているかのようで、ペニスに触れられないままでは絶頂も遠く、後孔と耳へ送られる刺激、快感ばかりが高まり達せられない苦しさの中、幸田は散々に鳴かされたのであった。



  
*目次*