新婚旅行リベンジ・編・37(エピローグ)



その日は一日、ダラダラと何をするでもなくベッドの上で過ごした。

疲れているという幸田の意思は珍しく尊重され、身体を交じ合わせる事も無くいちゃいちゃとしたのは久しぶりだ。

「あの辺が良いかな?」

「そうだな。真正面は嫌なものがある。側面で良いだろう」

ベッドの上に寝転がったまま、幸田は壁を指差した。

殺風景だったこの部屋に、あの結婚式での二人の写真を飾ろうと決めたのだ。

元々ここに何か記念になる物が欲しいと考えていたので、あれはとても適した物だと思う。

ついでに以前の、三城曰く「エンゲージリング」も一緒に額に入れてしまうのも良いかもしれない。

「明日、額買いに行こう」

何色でどんな形がいいのか。

彼と相談しながら決めるのは、きっととても楽しいだろう。

嬉しげな笑みを浮かべながら三城に腕を伸ばすと───その腕を引かれ彼の胸に収まった。

「あぁそうだな。明日も一日一緒だ」

柔らかい三城の息が耳元を掠めてゆく。

───あぁ、幸せだ。

そう、心から感じる。

「春海さん、好き」

「どうしたんだ、急に」

「言いたくなったんだ。それだけ」

彼の胸の中。

このままの二人が永遠に続いていけば良い。

きっと大丈夫。

「春海さん、大好き」

彼に触れる左手に輝く真新しい指輪が、幸田の呟きを肯定しているかのようだった。





【完】




**あとがき**
*目次*