三城×幸田・それぞれの春・編・12



サイドボードから取り出されたのは、愛用のラブローショが入ったボトルだった。

蓋を開け、中身が三城の自身へと纏わらされる。

凶暴なほどの雄がテラテラと光り、三城は幸田の腰をグイッと引き寄せた。

「入れるぞ。」

硬く張り詰めローションと愛液で濡れた自身の先端を幸田の後孔にあてがい、ぬるりと焦らすようにそこを撫で上げる。

吐息とも声ともつかない幸田の肯定の返事が唇から漏れると、三城はゆっくりと中へ押し入ってきた。

「くっ」

「んっ・・・」

互いに息を詰める声が聞こえる。

まだ完全に解せていないそこは、やはりとても狭い。

だが亀頭が内部に入ったばかりの今、侵入を止める方が幸田にとって遥かに苦しい事だと解っている為、三城は幸田の歪む顔を心苦しげに眺めながらも腰を進めた。

途中ミシリと嫌な音が聞こえたが三城は止まらなかった。

「大丈夫か?恭一」

「大丈夫・・・です」

ようやく半分以上を収め、三城は幸田に気遣わしげに尋ねた。

半眼で三城を見上げていた幸田は、三城のあまりに心配そうな面持ちを見ると苦笑が浮びそうになる。

三城の心配を溶く為、幸田は「大丈夫」を実践するかのように、自ら腰を突き上げ三城を内部へと導いた。

「あっ・・・」

三城の雄雄しい先端が前立腺を掠める。

幸田は今までの苦しげな顔が嘘のように、頬を紅潮させると甘い声を上げた。

「待ってろ。」

三城は幸田の身体をしっかりと抱きしめ、自身を深く突き刺してゆく。

幸田の荒い吐息が聞こえる。

苦しいはずなのに、痛みだってあるのに。

それでも幸田は快感に身をくねらせ三城を煽った。

「入ったぞ。」

普段より幾ばく時間をかけて侵入を果たすと、幸田は直ぐにわざとらしく三城の自身を締め付け始める。

しがみ付くように三城の首に両腕を回し、いつになく積極的に腰を振ってしまう。

その行為に羞恥を感じる思考は、幸田には残されていない。

だが下からそうした所で効果は薄く、三城が一突き押し上げると幸田は動きを止めヒクヒクと小さく痙攣した。

瞼はギュッと閉ざされ、自身からは濃い蜜が溢れる。

白い肌は薄桃色に色づき、男の支配欲や加虐心を酷く刺激するのだが、幸田本人は無意識な上に自覚もない。

「もう終わりか?」

三城はニヤリと笑うと、幸田を見下ろし腰を使い始めた。

「あっああっ」

徐々に早くなる動きに比例し、幸田の声も高くなる。

悩ましいばかりのその姿を見ているだけで三城は興奮を覚えずにいられないのだ。

「やっそこダメっ」

一際強い快感が幸田を襲うと、背を弓なりにそらせ見開いた瞳からは涙が溢れた。

「やめるか?」

三城が耳元で意地悪く笑う。

頷く事などありえないと知っているだろうに。

「三城さん、気持ちいい。」

「知っている。」

三城は満足そうにそう言うと、幸田の頬に唇を寄せた。



 
*目次*