蒼穹を往く奏楽・38




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早急な後孔への愛撫の後、拓深はイスハークに両方の太ももを持ち上げられた。

ピアスの光る己のペニスが目の前に晒され、そこに密が湛えられているのが知れる。

「痛かったら、言え」

「・・・うん」

何度見ても己と、それどころか元の世界で見てきたどのペニスとも形も質量も違う、イスハークの持ち物。

脱衣をした時から高ぶりを見せていたそれが、拓深の後孔に宛がわれた。

彼と出会うまでの拓深のSEXは、ただただ苦痛な時間でしかなかった。

けれど、今は。

「・・・っぁ・・・はぁ・・・」

「拓深・・っ」

ゆっくりと、けれど着実に、イスハークが閉ざされた肉を掻き分け拓深の内部へ侵入する。

愛撫を施され潤滑油をたっぷりと使用しているとはいえ、指で解した程度では到底彼の持ち物と同等までは広がらない。

何度性交を重ねても少しだけ感じる挿入時の痛みと違和感を感じながらも、それでも拓深は快感の方を多く得ていた。

イスハークと、一つになる。

それがこんなにも嬉しいなんて。

「イス、ハーク・・・」

「拓深・・・入った、ぞ」

「んっ・・・」

太ももからイスハークの手が離れる。

腰を持ち上げられた感覚のまま、彼は拓深に胸を密着させた。

彼の腰も進み、接合はより深まる。

圧迫感もより多く感じたが、それは不快でも苦痛でもなくむしろ喜びだ。

「大丈夫か?」

「うん、イスハークで、満たされてる感じ」

「そういう事を言うな。煽られる」

「え・・・?」

「・・・俺も、拓深に包まれている」

ぼそりと呟き、イスハークは拓深の頭を抱きしめた。

包まれているのは、拓深の方だ。

イスハークの髪が頬に触れと、拓深はその背を抱き返した。

「動いて、いいよ」

「あぁ。だが、もう少しだけ・・・」

「なに?」

「こうして、いたいんだ」

「・・・うん」

たった一日。

けれど、とても長い一日。

離れていた時間と、生死を掛けた戦闘と。

知らなかった彼の過去と、捨てた国と。

その全てがとても刺激的で、ひとたび落ち着いてみると興奮だけが残ったが、こうして身体を重ねあわせると快楽よりも安堵感を多く感じていた。

今、こうして無事に彼と抱き合っている。

毎日当たり前のようにしていたSEXが、特別に感じる。

それは彼も同じだったのだろう。

挿入したまま拓深を抱きしめるイスハークは暫くそうしていた。

「拓深、愛してる」

「僕も」

「きちんと、言葉で言ってくれ」

「・・・、・・・イスハーク、愛してる」

彼に与えられたものはとても多く、数えきれない。

愛するという事を教えてくれたのもイスハークだ。

今回の事で、自分にとってイスハークがどれほど大切なのか、改めて思い知った。

彼と会えないかも知れないと、もう二度と考えたくもない。

「拓深は、俺のものだ」

「・・・うん」

「俺も拓深のものなのだと、忘れるな」

「うん。忘れるわけ、ないよ」

互いの肌に刻み込んだ証が。

愛しているの言葉を、より強くする。

拓深はイスハークの背に腕を回したまま、自ら腰を振るった。

「イスハーク、僕もう・・・我慢できないよ」

「今日はやけに積極的だな。そういう拓深も好きだ。・・・だが、後悔するなよ」

「しないよ。どんなに疲れても、辛くなっても、僕は構わない。それよりもイスハークで感じたいんだ」

ふっとイスハークが拓深の耳元で笑う。

そして胸を密着させたまま片足を持ち上げ、イスハークは最奥に収めていたペニスを抜くようゆっくりと腰を引いた。

「あっ・・・はっ・・・イ、スハーク・・・」

ゆるやかな動きは、次第に早さを増す。

それに合わせベッドも軋みを上げた。

「あっ・・・はっ・・・イスハーク・・・っあ、愛して・・・愛してる・・・」

「あぁ、俺もだ。拓深・・・っ」

愛してる。

言葉にするには足りないくらい、愛している。

それを少しでも多く伝えたくて、拓深はイスハークの首を引き寄せると、その唇を奪った。

雨に濡れて冷たかった筈の互いに唇も、身体も、今はどこも全てが熱い。

「んっ・・あぁ・・っ」

イスハークが居て、身体を交じり合わせていて。

快感は高ぶるばかりで収まるところを知らない。

「拓深っ・・・クッ」

「あっ・・・はっ・・・」

「良い声で、鳴く・・・じゃないか」

「っ・・・ん」

イスハークが淫靡に囁く。

けれどもう、その声は拓深には届かない。

幸せだ。

これが、幸せと言うものだのだろう。

彼にしがみ付きながら繰り返される快楽の淵へと追い込まれる。

この日、拓深が意識を手放すまでそれは繰り返されたのだった。