蒼穹を往く奏楽・5




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やはり今日は、いつものイスハークとは違うようだ。

「あっ・・・や・・・・イス、ハーク・・・あっ」

「どうした?痛いのか?」

「そうじゃ・・・ない、けど」

横向きに寝た体勢から、イスハークに片足を大きく持ち上げられる。

そうして挿入された彼のペニスは、拓深の内壁を擦り上げた。

元の世界では知らない質量のそのペニスは、未だに慣れきる事はなくふとした時にその雄々しさを知らされる。

今にしてもそうで、内部を埋め尽くす彼に、息が詰まる思いすらした。

「あっ・・・はっ・・・やっ」

そのうえいつになく激しく、いっそ荒くすら感じられる手つきで抱かれるものだから、痛くはなくとも苦しさは感じられる。

そして厄介なのは、この苦しさはただ苦痛なのではなく、快感の縁から来るものだとも拓深自身が解っている事だ。

「イスハーク・・・ぅン・・・」

甘く切なげな声で彼を呼びながら、薄いシーツにしがみつく。

何かに捕まっていなければ、何からも耐えられない気がした。

「可愛い声を出すじゃないか。ここはどうだ?」

さも楽しげに呟いたイスハークは、ここだと言いながら拓深のペニスに触れた。

そこにも以前と同じく3つものピアスが填められている。

ただ、その中の一つのピアスのボールは、元のステンレス製のそれから深紅の石へと交換されていた。

これはイスハークに贈られたもので、拓深がいつも身につけているタリスとは効果も種類も無関係の石だというが、同じような深い赤色だ。

「濡れているな。良さそうじゃないか」

ペニスを扱き、亀頭に触れる。

柔らかなそこは透明な密が滴っている。

今に至るまで長い時間を掛けて身体中をイスハークに愛されているからだ。

亀頭につけられた深紅の石のピアスに、蜜が纏う。

室内の明かりを受け、それはなんとも淫靡に光っていたが、生憎拓深からは見えなかった。

「や・・・触らないで・・・あっあっあぁ・・・やっ」

ただでさえ蜜を滴らせヒクヒクと欲望を見せている先端をイスハークに触れられれば、急激に声が高くなる。

いやいやと首を振りながらシーツに顔を埋めても、彼はその手を離そうとしてはくれない。

敏感に成り過ぎているそこへ刺激を与えられるのは、快感が強すぎて苦しい。

本当に止めて欲しいのに。

けれどそうされればされる程、先端から一際濃い蜜が流れイスハークを喜ばせた。

「良い身体になった。いや、身体は元から良かったが、拓深が良い反応をするようになった。もっと声を聞かせろ」

「・・・んっ・・・だって、イスハークが・・・あっあぁ・・・」

イスハークが毎日愛してくれるから。

男を受け入れる事を知っていても愛される事は知らなかった身体は、それを喜びに日に日に変化をしたのだ。

触れられれば、演技ではない声がせり上がり、もっととねだってしまう。

そうすれば余計にイスハークは優しく愛してくれるので、拓深もまた自然と反応が激しくなる。

その繰り返しで、今では元の世界で売夫をしていた時の演技と無表情で取り繕われた拓深の姿は見あたらない。

「イスハーク、もう・・もう、いきたい・・・」

「だめだと言っているだろ。俺がいくまで我慢しろ」

「・・・じゃぁ、イスハークも、いってよ」

「断る。俺はまだ、お前を感じていたいんだ」

「あっ・・・・やっ・・・」

覆い被さったイスハークが、拓深の耳元で意地悪く囁く。

このやりとりももう三度目だ。

「あっ・・・はぁ・・・じゃぁ・・触ら・・・ないで」

「こうなら、どうだ?」

「んっ・・つぅ・・・」

拓深の耳たぶを食みながら、イスハークはそのペニスの根本を握る。

そうしてせき止められると、また別の苦しさがこみ上げた。

きっとこの意地の悪い行為は彼が満足するまで続けられるのだろう。

そう思えば、さすがに辛いものがある。

「あっ・・・あぁ・・・イスハーク。お願い、ねぇ・・お願い・・・」

横向きであった身体を仰向けに変え、拓深は両腕をイスハークへと伸ばした。

せり上がる嬌声は止められない。

唇を閉ざす事も出来ず荒い呼吸を繰り返せば、無意識のうちに腰を振っていた。

体技は身体に染み込んだもので幾らイスハークに愛されていても忘れ去るものではないらしい。

彼をくわえこんだ内部は、彼の快感を増長させるよう伸縮を繰り返した。

「イスハーク、お願い・・・いかせて?イスハークでいかせて・・・」

「可愛い事を覚えたじゃないか」

呟くような彼の言葉は、拓深までは届かない。

拓深がイスハークの背を抱きしめると、彼は拓深のペニスから手を離し両手で足を抱え直した。

「仕方がないな。今日はこれで離してやる」

「あっ・・・はっ・・・好き、イスハーク、好き・・・」

「あぁ、俺もだ。愛している。拓深」

密着する胸から伝わる彼の鼓動は、とても高鳴っていると知らされる。

イスハークの銀色の髪が、拓深の涙で霞んだ視界にはとても幻想的に映った。

「も・・・無理・・・いく・・・」

「あぁ・・俺も、だ・・・くっ・・・」

愛しているの言葉は、耳から胸の中心を犯してゆく。

元より絶頂の間近に居た拓深は、ペニスを解放され内部を刺激されれば頂点に達するのは直ぐだ。

彼を抱きしめた腕で、その頭を引き寄せる。

拓深自らイスハークの唇を求めれば、積極的な口づけを交わしながら己の腹に、そして体内の奥深くへ熱い迸りを感じたのだった。