三城×幸田・お礼用S・S
(退院の日)


退院の日。

幸田の足はギブスで治る程度だったので、退院前日の昨日そのギブスは外されていた。

本来ならとっくに退院し、通院治療に変わるはずだったらしい。

それをあえてしなかった理由を幸田は笑って誤魔化した。

「三城さん、荷物は自分で持てますから」

慌てた口調で言う幸田を三城はまるで無視し、衣類が入ったボストンバックを手に病院の廊下を歩いていく。

午前中だった事もあってか、人気は無い。

初めて真っ直ぐに立って並んだ二人は、三城の身長の方が10cm程高かかった。

「何のために仕事を抜けて来たと思ってるんだ」

傲慢な三城の言い草に、幸田はクスリと笑った。

「仕事サボっちゃダメですよ」

「お前な、、、っ」

誰の為だと思っている、と続けるはずだった三城の言葉は、背伸びをした幸田の唇に塞がれた。

「嬉しくてはしゃいじゃいました」

それは一瞬で離れ、ニコッと微笑んで見せる幸田に三城が何も言えなくなったのは言うまでもない。



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