三城×幸田・お礼用S・S・100のお題に挑戦!
(1・告白)


とある夕食時。

久しぶりに時間の合った二人は、三城の自宅で幸田の手料理を食していた。

「告白された事がない?」

驚きの声を上げた三城に、幸田はコクリと頷ずく。

何の話からこんな話しへと変わったのかは定かでないが、幸田が今までの人生で告白を受けた事がないと言ったのだ。

だが、三城はそれをなかなか信じようとはしなかった。

「されていたとしても、恭一が気づかなかっただけじゃないのか?」

「そんなに僕は鈍感じゃないです。」

三城はよく幸田を「天然だ」「鈍感だ」と言ったが、当の幸田は自覚がまるで無かった。

けれど、あまりに三城がそう言うものだから少しは「天然なのかな?」と思うようにはなっていたのだが、告白をされて気づかないのはよほどの鈍感ではないだろうか。

心外だとばかりの幸田を三城は鼻で笑う。

「自分では解っていないんだな。」

「なっ・・・そういう三城さんは告白なんて沢山されたんでしょうね。」

こういった言い合いで幸田が勝てる訳もなく、引くが勝ちだと話題を変えようとする。

頭の良い三城は弁が立ち、悪い言い方をうれば「あー言ったらこー言う」という性格の持ち主なのだ。

本心だが棘のある言い方をした幸田に、三城はニヤリと笑っただけでしれっと答えた。

「まぁな。」

あっさりとした肯定に、幸田は何故か頬が緩んだ。

謙遜しないのが三城の美徳であり、余りある自信家なところが幸田は好きだった。

「で、告白した事はないんじゃないですか?」

「あるだろ。」

「あるんですか!?」

以外だと幸田の声が大きくなり、瞳も開かれた。

「お前に」

「、、、あれは告白っていうんですか?」

「言うだろ」

当時の病室を思い出し、幸田は眉間に皺を寄せた。

確かに、三城の言葉がなかれば付き合いはしなかったとは思う。

思うのだが、あれはどちらかと言えば・・・

「誘導じゃないんですか?」

「なんだと?」

明らかに機嫌を害した三城に、その場の空気はピリピリとしたものへ変化した。

しまった、と思った幸田も、フォローの言葉が何も出ない。

何を言っても悪い方へ行くばかりだと思う。

数秒だか数分だか解らない時間が過ぎると、その空気が妙にくすぐったくなり、二人同時に噴出してしまった。

「ははは」

「あははっ」

告白した、しないでケンカになるなど、とんだバカップルだ。

食事中だというのに、何故だが涙が出るほど笑ってしまった。

「愛してる恭一。」

「はい、僕もです。」

互いに照れくさそうな笑みを浮かべ、暫くの間見詰め合っていたのだった。



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