三城×幸田・お礼用SS
(中学生・幸田の場合)



幸田恭一。14歳。

まだまだ大人じゃない。

でも、子供だと甘やかしてももらえない。

都合よく子供にも大人にもならされる。

そして自分の人生を見つめ始める、そんな時代。





大好きな友達が出来た。

その子の笑顔が好き、一緒に居ると楽しくて、触れたくなる。

それは単純に「友情」だと信じて疑わなかった。

それ以外の選択肢なんて、当時の僕にはなかったのだ。

けれど、ある日。

大好きなその子を含む、当時仲の良かった友達グループの一人が、嬉々として僕達に言った。

「兄貴の部屋からAV見つけたんだ!皆で見ようぜ。」

思春期、性に興味が出始めた僕達は一も二もなく即答し、その日の夕方そいつの家に集まった。

初めて見る男女のベッドシーン。

母親以外の大人の女性の身体。

モニターの中の女優は生々しくて、淫らに大きな声を上げていた。

非日常の風景に衝撃を受けたけれど、それだけだ。

僕は、興奮しTVを凝視する友人達の中で一人ボンヤリとしていた。

何も、感じない。

いや、正確には、甘ったるく身体をくねらせる女性には何も感じない、のだ。

僕の目が向かうのは、時折写る男優の顔と性器。

それだけだ。

大好きなあの子もTVを見つめ頬を緩ませている。

その顔を見ていると、胸が締め付けられる想いがして、気がついた。

大好きだったあの子に感じていたものは、友情ではなく恋愛感情だったのだ、と。

僕は絶望した。

人と違う性癖に、自分の立たされた決して明るくはない未来に。

その日から僕は、人と距離を置くようになった。

大好きな友達に、自分の気持ちを気づかれたくない。

気持ち悪いと思われたくない。

軽蔑し罵られたくない。

僕の初恋は、告げる事すら諦めて、終わっていった。

それは中学二年生の初夏の事だった。



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