三城×幸田・お礼用S・S・100のお題に挑戦!
(5・放課後)


就業後、幸田の一番の楽しみは携帯電話を見る事だ。

その日も、挨拶を交わしながら帰っていく生徒達を笑顔で見送り、足早に職員室に戻る。

同僚におかしく思われない程度に焦りながら、自分の机の一番上の引き出しから携帯を取り出した。

携帯電話のお知らせライトがピコピコと点滅しているだけど、ドクリと鼓動が鳴る。

もっとも、そのライトが知らせたモノが目当てのそれと違っていてがっかりする事もしばしばなのだが。

「あ。」

二つ折りの携帯を広げると幸田が表情が綻んだ。

画面に映し出されたのは、期待通りの人物、最愛の恋人三城の名前だ。

周囲に同僚なども居る為、平静を装うべきだとは解っているが、ついにやけてしまう。

それはほぼ毎日の事だった。

『今日は早く帰れると思う。夕食待っている。』

たったそれだけの内容。

それでも、どうして心弾ますにいられるだろう。

幸田は簡潔な返事を返すと、残っていた仕事を急ピッチで済ませ、自宅で出来る仕事は持ち帰り、鞄に教材や何やらを詰め込んで帰路を急いだ。

夕食を待っていてくれる三城の元へ。

もっとも、その夕食を作るのも幸田なのだが。


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