三城×幸田・お礼用SS
(恭一に媚薬を・前編)


ある金曜日の夜の事。

定時そこそこで帰宅をした三城と共に夕食をとりゆったりとした時間を過ごした恭一は、深夜前にそれぞれ風呂に入り寝室に居た。

さっぱりとした身体。

けれど、今から汗をかくのは目に見えている。

「春海さん、久しぶり・・・」

「一週間ぶりだな。といっても中五日だが」

「でも、もっとしてなかったみたい」

平日は互いに忙しく、セックスをするどころではなかった。

全裸でベッドに腰掛け、素肌を密着しあう。

顎を上げ無言で口づけをねだると、三城は触れ合うだけのそれを落とし、唇を重ねたまま二人にだけ聞こえる声で囁いた。

「だから今夜は良い物をやろう」

「え?良い物?」

「あぁ。とっておきの――媚薬だ」

「媚薬?」

恭一の腰を抱いたまま、三城はサイドテーブルに手を伸ばす。

煌々と室内灯が灯されたままの部屋。

三城が小さな何かと、ペットボトルの水を手にしたのが分った。

「それ?」

三城の手の中には、灰色の錠剤。

思わずいぶかしんだ声をあげる恭一に、三城は耳元に唇を寄せ小さく笑った。

「アメリカで認可されている最高級品だ。日本ではなかなか入手出来ない」

「変な物じゃなくて?」

「俺が恭一に得体の知れない物を飲ませる訳がないだろ」

「それはそうだけど」

「ただ神経の分泌効果を良くするだけだが、よく効く」

三城が錠剤を恭一の唇に宛がう。

彼の言う通り、この三城が得体の知れない物に手を出すわけも、ましてやそれを恭一に与えるとも思えない。

そのうえ、効果が定かでない物にも安易に手を出さないだろう。

三城とはそういう男だ。

「じゃぁ、春海さんがそういうなら・・・」

唇を開ける。

そこへ錠剤を放り込まれると、渡されたペットボトルの水で嚥下した。

「即効性のある物だ。すぐに効いてくる」

「そんなもんなんだ」

「あぁ。最新の品だからな」

「へぇ」

「どうだ?変化はないか?」

「いくらなんでもそんな飲んで直ぐは・・・」

「そうだな。待つのも面倒だ。始めるか。そのうち効いてくるだろう」

「春海さ・・・ンッ」

抱かれていた腰を強く引き寄せられる。

触れ合うだけの口づけでお預けを食らっていた恭一の唇に、彼のそれが重なる。

もうフレンチキスではない。

唇を舌で割られ、恭一のそれを浚っていく。

ねっとりと舌同士を絡み合わせられると、触れられた部分が熱くなる。

そうする一方で、自然と瞼が落ちる恭一をよそに三城の手がむき出しの股間に向けられた。

「ふっ・・・」

恭一の好きな手つきで、三城がそのペニスをゆっくりと扱く。

もう何度も触れられた手。

慣れるのは三城の手つきばかりで、恭一の身体はいつも翻弄される。

キスだけで半勃ちだったペニスは、触れられるとあっという間に強度を増していく。

唇を触れ合わせたまま三城が笑った気がした。

三城の腕に縋り付く。

扱かれるペニスも、絡められる舌も快感を誘う中、最後にチュッと唇を啄み離れていった。

「そろそろ、効いてきたんじゃないか?」

「・・・え?」

「いつもより、身体が熱くないか?ここが、敏感になっていないか?」

耳に息を吹きかけながら、三城が甘く囁く。

彼の言葉が一つ一ついやらしく響き、握られたペニスも意識をしてしまう。

「言われて・・・みれば」

「やはりな。いつも以上に、勃つのも早かった」

「恥ずかしい事、言わないで・・・」

「横になるぞ。その方が、好きに出来る」

「・・・ぁ」

言いながらも、恭一の意見など聞くつもりはないのだろう。

恭一のペニスからも腰からも腕を離した三城が先にベッドに上がると、腕を引かれてベッドの上に横たえさせられた。

急に人肌の温もりを失ったペニスが、触れて欲しいと脈打つ。

ベッドの上で膝立ちになる三城を見上げながら、恭一は枕の位置まで上がった。

「春海さん・・・早く」

「早く、何だ?」

「早く、して?触って?さっきみたいに・・・」

「可愛いな」

自らの意志で膝を開き、腰を突き出す。

三城の手を知ってしまったペニスが、途中で放り出された喪失感でどうにも耐えられない。

恭一を見下ろしニヤリと一度笑った三城は、満足そうに恭一の足の間に膝をついた。

「いつもは、これくらいじゃねだってこないだろ?」

「それは・・・だって、アレ、飲んだから」

「だから、耐えられないのか?」

「耐え、られない。身体が、熱いんだ・・・」

「なら、仕方がないな。アレを飲ませた俺の責任もある。好きなだけ、ねだってよがれ」

楽しむような三城の声が聞こえたかと思うと、彼の手が、強く恭一のペニスを握った。

「あっ・・ハッ・・・」

先程のような、ゆるゆるとした手つきではない。

締め付けながら、しごき上げていく。

けれど痛みなど感じず、ただただ快感が駆け上っていった。

「ンッ・・・あぁ・・・は、春海さ・・・アッ」

「どうした?声は抑えなくて良いし、いきたい時にいきたいだけ、出せば良い」

「ハッ・・・ァッ・・・だ、だって・・・いつも、いつもこんなんじゃ・・・」

後孔で感じる事を知った身体は、ペニスだけでは満足出来なくなっている。

だというのに今は、まだ何分も扱かれていないというのに、堪らない。

ペニスが、体中が熱くて、触れられた場所が全て反応してしまうかのようだ。



(つづく)





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