三城×幸田・お礼用SS
(恭一に媚薬を・後編)



身体が熱くてたまらない。

ペニスを握られているだけではたまらなくなり、三城の空いている腕に指先で触れた。

「春海さん、こっちも・・・して」

「ん?こっちとは、どこだ?」

意地の悪い笑みを浮かべ、三城が恭一を見下ろす。

やはり薬の効果が強いのか、ただその眼差しだけで息があがった。

恥じらいなど持つ余裕などない。

三城の手首を握り引っ張りながら、恭一は更に腰をずらした。

「ここ・・・後も、触って?」

「後だけで良いか?」

「嫌。両方・・・両方一緒が良い」

「可愛いものだ」

彼の指先が、恭一の後孔に触れる。

我慢が出来ずひくつくそこを一度撫でると、三城の指が一本、ゆっくりと内部に侵入した。

男を受け入れる事を知っている身体は、何の助けを借りずともその程度飲み込んでゆく。

それまで空洞だった体内に、彼の指が触れていく。

けれど、たかだか指一本だけでは熱くなり続ける身体は収められない。

「春海さん、もっと・・・それだけじゃ、足りない」

「いきなりか?」

「嫌?」

「まさか。ただ恭一の身体を気遣ってやろうと思ってただけだ」

「良い・・・そんなの良いから、春海さんのおちんちんが欲しい・・・」

頬が熱い。

だがそれは羞恥からではなく、敏感な身体が熱を上げていく。

呼吸は乱れ、自制がきかない。

声を抑える事も出来ずねだる恭一に、三城は笑みを深め内部をなぞるようにしながら指を引き抜いた。

「痛くても知らんぞ?」

「大丈夫・・・春海さんのだから」

「何の根拠だ」

「何回もしているから、大丈夫。それより、早く欲しいんだ・・・」

三城の指が出て行くと、膝を立て後孔を彼へと晒す。

欲に呑まれていく恭一の一方、普段と変わらず余裕に満ちあふれている三城を眺めると、少しずるい気がした。

自分はこんなにも身体が熱くてどうにもならなくて、早く彼を欲しているのに。

薬を飲ました張本人はまるで平素と変わらない。

それでも、苦言など告げようとは思わなかった。

息が上がり、余計な言葉が出なかったとも言える。

「春海さん、早く・・・」

「分っている。俺も、やばいぞ?」

「・・・嘘」

いつもと変わらない、余裕の顔をしているくせに。

熱から潤む眼差しで精一杯睨み付けたが、そこに力など籠もっていなかっただろう。

ベッドヘッドからラブローションを手に三城が戻る。

ふと見えた彼のペニスは強く立ち上がっているが、立ち振る舞いだけならばやはり余裕そのものだ。

「嘘なものか。恭一がこんな姿をしているんだ。呷られないわけがない」

「余裕そうにしか見えない・・・」

「それは、試してみたら分るんじゃないか?」

三城が自身のペニスにローションを垂らす。

シーツは汚しても手は汚さないままローションのボトルの蓋を閉めると、さも適当にベッドの上にそれを放った。

「身体が熱くてたまらないんだろ?」

「・・・うん。春海さん、どうにか、して?」

「そうだな。あんな物を飲ませた、俺に責任がある」

三城が恭一の太ももを持ち上げ、ペニスの先端をアナルへと宛がう。

それを感じた次の瞬間には、彼の張り詰めたペニスが恭一の内部へと押し入った。

「あっ・・・・ハッ・・・」

「痛くは、ないか?」

「痛く、ない。気持ち良い・・・あっ・・やっ・・・春海さんが・・・春海さんのが、気持ち良い・・・ンッ」

彼のペニスが体内奥深くに差し込まれる。

身体を倒した三城は、互いの胸を重ね合わせると恭一の耳元で囁いた。

「やはり、可愛いな」

「うっ・・・ぁ・・・春海・・・さん」

全身が敏感で、耳からも重なった胸からも刺激を感じる。

三城の手が恭一のペニスに触れ、腰が引かれた。

その瞬間に恭一は、早々に腹の上へ精を放った。

  ****

恭一が眠ったのを確認し、室内灯を消して三城は下着姿のまま寝室からメインルームへと出た。

互いの体液、汗も含めそれらで身体は汚れている。

最中に眠った恭一も同じくで、そのまま放置も出来ない。

明かりを灯したままであったそこを、バスルームに向かうため通り過ぎようとする。

しかしとの途中、ふと部イニングテーブルに置いていた物に視線を奪われ足を止めた。

「・・・こんな物が、本当に効くとはな」

茶色い、手のひらに収まるサイズのプラスティックボトル容器を持ち上げる。

今夜恭一に飲ました物。

そして、容器だけならば恭一もいつも目にしている筈の物。

三城が手にする容器には、――マルチビタミンと書かれたシールが貼っている。

「媚薬などそう易々とある訳がないだろ・・・」

プラシーボ効果という物がある。

全く薬として効果の無い物を薬だと偽って飲ませる事により、あたかも本物の薬を飲んだかのような効果が出る事だ。

ようは暗示的効果、思い込みだ。

三城の言葉は大抵素直に受け取る恭一だが、ただのビタミン剤を「媚薬」だと偽ればどうなるのか、見てみたいと悪戯心に思いついたのは今日の昼の事だった。

当然のように、薬の入手経路も何もかも嘘。

単なる三城が毎日飲んでいるビタミン剤の一つだ。

それを恭一は、その身体も、思惑通りの反応を示してくれた。

「教えてやろうかとも思ったが・・・やめておくか」

ネタばらしをしてしまえば、次はない。

ふと口元に笑みが浮かぶ。

ここが防音設備の整ったマンションである事を感謝する程の声でよがる恭一を思い出す。

あの姿がもう拝めないのは、随分と勿体ない。

「これで、恭一も分っただろうからな」

三城が、高品質の媚薬を持っていると。

次にそれを飲ませた時は、より疑わずに飲み、その効果を発揮してくれるだろう。

そう考えると、やはりどう考えてもネタばらしをしようとは思えない。

ビタミン剤のボトルを、ダイニングテーブルに戻す。

さも満足げな笑みを浮かべたまま、三城はパウダールームで恭一の身体を拭く為のタオルを濡らした。






+目次+