三城×幸田・お礼用S・S
(幸田の写真)



傍らに横たわる幸田を見つめ、三城は深くため息を吐いた。

「・・・ハァ」

過去を振り返るのは好きではないが、それでも思い返してみると、沸き起こるのは自責の念だけだ。

今日は久しぶりに幸田と外食をし、その後自宅でアルコールの飲んでいた。

上手い食事と上等のワイン。

その上、幸田が隣に居るとなれば日々のストレスや疲れは一気に消えてしまうという物だ。

そこまでは良かった。

だが次第に気分が盛り上がり、酔った幸田の色気にも負け、気がつけば今夜もまた幸田が気を失うまで細い身体を攻め立ててしまっていたのだ。

何度自制しようと心に誓っていても、いざ行為が始まり幸田の甘やかな表情を目の当たりにすると、事前の戒めなど頭から抜け落ちてしまう。

三城よりも幸田の方が遥かに身体の負担が大きいという事くらい解りきっているというのに。

そして現在に至る、という訳だ。

「すまない、恭一。」

苦痛から穏やかな寝顔に変わった幸田の表情を困惑に眉を寄せながら見つめ、前髪をそっと掻き上げてやると露わになった白磁器の額に唇を押し当てた。

「ん・・・」

まるで甘えるような仕草で身を捩り、鼻を鳴らす幸田はなんとも愛しい。

「何でもない、眠っていろ。」

その寝顔は、身を捩った際に髪が頬にかりいつもよりも一層幼く見える。

「・・・」

三城は身体を起こすと、サイドボードの上に置かれた携帯電話を引き寄せた。

ストラップが一つ付いているだけの真っ黒でシンプルな携帯。

今まで通信機器としての機能性のみで携帯を選んでいた三城が、初めてデジカメ機能を重視して選んだ携帯だった。

――パシャッ

静まり返った寝室に、小気味良いシャター音をが響き渡る。

幸い幸田が目を覚ます事はなかった。

「可愛いな。」

愛しいその寝顔を見ているだけで頬が緩む。

無防備で安心しきった様子に、そうさせているのは自分が側に居るからだろうと思うだけで、なんとも幸せな気分になれた。

「そんな顔してると、また喰ってしまいたくなるだろ?」

クスリと笑い冗談混じりに呟いた三城は、二つ折りの携帯をサイドボードに戻し、幸田の隣に横たわった。

両腕の中に幸田を閉じ込め、身体を密着させながら───。



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