三城×幸田・お礼用SS
(恭一が外で飲まないようにと言われている訳・2)

(こちらは、拍手SSに掲載した作品が無くなってしまった為、同タイトルを全て書き直した物になります。)

ローテーブルの上には幸田がアテを綺麗に盛り付けた大皿が置かれていたが、それは既に空に近い状態である。

同様に、輝くオレンジ色の液体で満たされていたワインボトルもアルコールが底に薄っすらと残っているだけだ。

飲み始めてからどれほど時間が経ったのか、頬を赤らめた幸田はワイングラスを申し訳程度に舐めた。

「どうした、もう終わりか?」

「・・・まだ、飲めます」

ムッとした声で言うと、幸田は意地だとばかりにグラスを煽った。

だが無理をしているのは明白で、空になったグラスをテーブルに戻そうと腕を伸ばした幸田は身体が大きくふらついている。

虚ろな瞳でふらふらとし、一人で座っている事も困難になったのか、それともただ甘えているだけなのか、幸田はトンと三城の肩に頭を預けた。

幸田と同じペースで飲んでいるというのに三城に酔った様子は見受けられず、アルコールの強さの差はこれ程までに歴然としているという事だろう。

「そうか。では次はビールにするか?」

クスクスと上機嫌に笑いながら、三城は枝垂れかかる幸田をそっと抱きしめた。

思惑は順調に進んでいる。

腕の中に納まった幸田を想えば、口元が綻んでしまうのも仕方がない。

「それとも、もう飲むのは止めて寝るか?」

「ん・・・春海、さんも・・寝ますか?」

「さぁな。俺は一人でも飲むかな?」

三城はからかうような口調だったが幸田は唇を尖らせ、自身を抱きしめる三城の腕を両腕で抱え込んだ。

まるで子供のような仕草に、三城の満足度は加速する。

「だったら、ダメです。僕も・・・ここに居ます」

「何故だ?一人で先にベッドに行けばいいだろ?」

「嫌です・・春海さんと、一緒が・・・いいです」

なんとも可愛い事を言う。

欲しかった反応の数々に三城は頬が緩んで仕方がない。

三城がにやけた表情をしていると、酔いの回った幸田が認識出来ていない事は両者にとって救いだろう。

「同じ家に居るのだから、離れているうちに入らないだろ?」

「・・・春海さんに触ってないと、嫌なんです・・・好きなのに・・・春海さんは違うんですか?」

酔いのせいか何かは知らないが、潤んだ瞳で眉を下げながら見つめるな。

不安だと揺れるそこに引きずりこまれそうになり、三城は幸田の唇を唇で塞いだ。

「ん・・・」

マンゴーの味がする。

好きではない筈の甘いアルコールも、こうやって摂取するならば極上だ。

「あぁ、俺もだ。意地の悪い事を言ってすまなかったな」

「春海さん、好き・・大好き・・・もっと、して?」

何を、どんな風に。

卑猥な言葉を言わせてみるのも良いな、と考えていたにも関わらず、そうとする余裕が三城の方になくなっている。

ベッドとは比べ物にならない狭いのソファーの上。

幸田の衣類が剥ぎ取られてしまうのに時間は掛からなかった。



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