三城×幸田・お礼用SS
(ウエディングの三城)



不思議なもので、どんなブスでも花嫁姿というものは俺をも少しは綺麗だと思わせてしまうものらしい。

それなら、恭一がそうすればどんなに綺麗だろうと考えてしまったのも、挙式を行った理由の一つだろうか。

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それぞれ控え室に通されると、三城はすぐに神父の元へと向かった。

幸田に気づかれぬように新しい指輪を託す為である。

この指輪は今朝、まだ幸田が眠っている間に一人ホテルを抜け出し取りに行ったものだ。

以前の物もそうであるが、今回も日本未発売のデザインで、店自体も日本には銀座に一店舗あるだけというブランドだ。

特に拘り選び抜いた品ではあるのだが、幸田がその価値を理解するかは不明といえた。

だが物の価値がどうであるかは送る側のエゴでしかないと考えているので、理解など出来なくとも問題はない。

ただ、想いを知ってくれれば。

持参のリングクッションと指輪を神父に渡し、すぐに控え室に戻るとタキシードに着替えた。

自分は黒で幸田は白のタキシードというのは、ウエディングプランを考え始めてすぐに決めた事だ。

ドレスという案を全く考えなかったかと言えば嘘になるが、ここはやはり素顔の幸田を見たいと思ったのである。

想像するだけで綺麗だと思う。

ベールはもちろん無理だろうが、ブーケくらいは持たせたい。

それから、ネクタイやネクタイ飾りは揃いの物にして、それから───

考えれば考える程、プランは易々と組みあがった。

二人きりのウエディング。

互いが互いを祝福しあう至福の時。

出張が確定してからの急ピッチな準備ではあったが、無事にここまで漕ぎ着けたのはビジネスにも生かされている三城の技量の賜物だろう。

さっさとタキシードに着替え、鏡の前で仕上げると三城は隣にある幸田の控え室へと向かった。

ノックもそこそこに部屋へ入ると───息を呑むばかりの、白いタキシードに身を包んだ幸田が立っていた。

綺麗で、綺麗という言葉だけでは表しきれない程で。

これが自分のモノなのかと思うと信じられないような、皆に自慢したいような気分になった。

幸田の純和風な顔立ちが、日本人形のようなしおらしさが、白いタキシードにとても栄えている。

「待たせたな。打ち合わせの確認をしていたので遅くなってしまった」

「ううん、大丈夫」

出来るならばこのまま抱きしめ押し倒してしまいたいと考えているなど、笑顔も眩しい幸田は知りもしないだろう。


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