ストーカー編・1



赤い車が職員専用駐車場に滑り込むのを校舎の窓から見るのが好きだ。

思わず視線を釘付けられてならない派手な車から降りてくる人物を眺めたいからだ。

「・・・・・あ、来た」

性格を表すかのような丁寧な運転。

何度も切り返しながら真っ直ぐに白線の中へ車体を収めると、運転席から現れるのは車なんかよりもずっと目を奪われてならない黒髪。

今年新任して来たばかりだというその教師は、まるで日本人形のような凛と美しい面持ちをしている。

幸田恭一。

僕は今、彼に夢中だった。


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