三城×幸田・新春湯煙殺人事件・編・24



秋人からの返信は30分としない内に返って来た。

携帯がメロディーを奏でて着信を知らせると、三城は急いで通話ボタンを押し、それと同時に慌てた口調で口を開く。

「何か解りましたか?」

相手が解っているだけに、開口一番それだ。

「あぁ。真田とお前の関係はなんだ?面白い事が色々と出てきたぞ。」

秋人はじらすように、もったいぶった口調でゆっくりと話した。

「面白い事、ですか?」

三城が秋人に調べさせた理由は、真田の行動を知る為だった。

真田と澤野の関係以外に「面白い事」など想像もしていなかった三城は、疑いの声を上げる。

「あぁ、なんとその真田とか言う男、高大【こうだい】議員の愛人だったらしい」

「高大議員ですって!?」

三城はらしくもなく大きな声をあげた。

だがそれも仕方が無いだろう。

秋人の口から知らされたのは、想像など出来るはずもない大物の国会議員の名前だった。

御年60歳くらいだろうその議員は、政界は元より経済界や多方面に力を持つとされ、成人以上の国民の8割は知っていると思われる人物だ。

そんな高大議員がゲイで愛人を抱えているなど、相手が真田でなくても驚いただろう。

「その情報はどこから?」

普段なら実兄を疑う事等稀だが、そう簡単に信じれる事柄ではなかった。

「それは企業秘密」

「信用度は?」

「100%。高大が真田の肩を抱いている写真も入手した。」

「なんですって!?」

三城は呆れと驚きが混じった声をあげる。

何処でそんな、男が男の肩を抱くなど派手な事をしていたかは知らないが、著名な議員にしては迂闊な事をするものだ。

「俺は真田の顔を知らないが。提供人物が真田和馬で間違いが無いと言っている」

「根拠は?」

「提供人物は以前から真田を快く思ってなかったみたいでね。写真を撮って脅そうと思っていたそうだ。」

「真田を脅すより新聞か何かに売った方がよさそうなものを、、、」

「そこまでは考えが及ばなかったらしい。俺がきっちりと取り上げておいたから問題はないだろう。」

「ありがとうございます。」

「メールで送ってやったぞ。確認しろ」

「はい、、、、はい、ありました」

メールボックスを開け、付属データのある秋人のメールを開封する。

そこに表示されたのは、携帯電話で夜撮影したと思いし少々画質の悪い写真だったが、写っている男の一人が高大である事は間違いがなかった。

そんじょそこらに居ないだろう、厳しくも特徴的な面持ちの男だ。

その高大が肩を抱く、華奢な男が真田なのだろう。

「間違いないか?」

「いえ、俺も真田の顔は知りませんので」

「は?何だそれは」

受話器の向こう側から秋人の呆れたとばかりの声が聞こえる。

「詳しい話は、またお店にでも行かせていただいてお話しますよ。それよりもう少し詳しく教えてください」

「、、、わかったよ」

憮然とした声を漏らす秋人は、ありがたい事に深追いしてくる事はなく、高大と真田それに澤野について本物の探偵ばりに詳しい話を語り始めた。



 
*目次*