三城×幸田・新春湯煙殺人事件・編・4



女将・翔子は客室に入るとお茶を入れながら部屋の説明をし始めた。

窓から見える日本庭園はこの旅館が建った約200年前のままの姿であるらしいし、それが眺められる各客室に設けられた専用の露天風呂は大変評判だという。

幸田はそれを聞きながら屈託無く笑み要所要所に相槌を打っていたが、三城はというとこんな場所に来ながらにしてミニノートを取り出し始めた。

古い旅館だが近代的な改築はおこなっており、インターネット接続も出来るらしい。

そんな事今しなくてもいいじゃないか、と三城を横目で見ながら幸田は内心思うもすぐに、仕事なら仕方が無いか、とため息を吐いた。

外資系勤めの三城の取引相手は(何処の国かは知らないが)外国のため、日本とは「正月」の感覚が違うのかも知れない。

そのうえ時差も生じるので、今やらないといけない仕事もあるのだろう。

幸田がぼんやりとした思考で納得をした頃、一人喋っていた女将が頭を下げてからスッと立ち上がった。

「では、ごゆるりと」

襖の前に行くとまた膝をついて開けて出行く。

まじまじと見ていると、昔の日本人はなんとも非合理的な動作を繰り返していたようだ。

「綺麗な女将だったな」

二人になるとPCのモニターから顔を上げないままの三城が言った。

顔をしかめている事を思えば、よほど難しい仕事でもしているのだろうか。

邪魔をしてはいけない、と幸田は茶を啜りながら一言だけ返事をした。

「そうですね」

「お前は、、、本当に」

「へ?」

ハァ、と盛大なため息を吐いた三城は立ち上がり幸田の横へと歩んだ。

三城の行動についていけない幸田は、すぐ横に立つその顔を呆然と見上げるばかりだ。

いつもの事だが三城の思考が読めない。

常人とは違う思考故のエリートなのか、単に三城が変わっているだけなのか。

自分が人よりも鈍感である事を選択肢に入れようともしない幸田は、のんきにそんな事を考えていた。

「誰にでも愛想を振り撒くな。」

三城の声は不機嫌に硬い。

「え、、、してませんよ、そんな事」

「自覚が無いのが一番困るな」

やはり三城の言いたい事が解らずキョトンと首を傾げた幸田は、次の瞬間には畳みの上へ押し倒されていた。

「わっ」

予想外の出来事に、抵抗らしい抵抗も出来ない。

気がつくとシャツのボタンは全て外され、インナーを捲り上げられていた。

「三城さん、待ってっあ、、、」

幸田の抗議が通る事など滅多にないのだが、今回もまた三城の愛撫に流される事となった。

露になった乳首を、三城の熱い舌が舐め上げる。

すぐにそこは硬くなり、もう一方も疼きだす。

それを知ってか、三城はそちらを指で摘み上げ、コリコリと捏ねた。

「あっ、、、はぁ、、、」

それだけで幸田はどうしようも無いほどに火照ってしまう。

身体の中心に熱が集まり、ジーンズの中で張り詰める。

押さえつけられたそれが痛みを感じた頃、三城の手がそこへかかりフロントを寛げて自身を解放した。

そのままズボンと下着を膝までずり下ろされ、張り詰めた自身が外気に曝される。

その間も三城の舌は幸田を攻め続け、ジンジンと甘い痛みも感じるほどだった。

「あっみっ三城、さん、、、キス、、して」

自分でも信じられないほどに甘い声でねだってしまった。

幸田がいつもあられもない「おねだり」をする頃は意識も薄れているのだが、今はそうではない。

胸への愛撫から逃れるためだったのかは解らないが、羞恥を感じながらのその要求に三城は素直に応えてくれた。

合わせられた唇が熱い。

ねっとりと舌を絡み合わされると、肩がビクンと震えた。

先走りの汁が自身の先端から姿を見せ、それを絡めながら三城の手が上下に動く。

幸田は無意識に腰を浮かせてそれをねだり、両腕を三城の首へと回した。

まだ何処も着乱れていない三城だが、キスを交わす唇から漏れる息は荒い。

幸田の瞳がトロンとなり、意識が朦朧とし始めると、ようやくキスは終わりそっと唇が離れていった。

つい物欲しげに瞳を開けた幸田に、三城は目じりにキスを落す。

「次はこっちだろ?」

先ほどまでの不機嫌さは何処へ行ったのかニヤリと笑みを浮かべて身体を下へとずらしながら言う三城に、幸田はコクリと頷いた。



 
*目次*